日付2014年08月29日カテゴリー卒業生より
原田正憲先生への追悼文① 27期生 堤 公宏 北海道帯広市在住

 原田先生の書道の授業は小学校などで経験してきたいわゆる「習字」とは全く違い、すごく新鮮で楽しかった記憶が残っています。お手本などは無く、とにかく自由にのびのびと字を書き、思いのままに色々な作品を作るという授業はとても楽しく、また試験が無いというのが勉強嫌いの私にとっては何よりも魅力的でした。楽しい授業で作った作品の一部は、卒業して40年経った今でも大切に残しています。
 私は先生に担任を受け持っていただいたことは無く、書道の授業でお世話になっただけでしたが、先生の事が大好きで在学中は書道教室の横にあった「愚禿庵」という部屋によく出入りさせていただいていました。
高校卒業後、私は北海道の酪農学園大学に進学し、大阪を離れたのですが、先生とは時々連絡を取らせていただいていました。そして、卒業してから13年目に大阪で結婚式をした際には先生にご出席いただき、スピーチまでしていただきました。また、結婚式の数日前には、額に入った書道作品をお祝いとしてわざわざ自宅まで届けてくださり、大変感激しました。その作品は今でも我が家の床の間に飾らせていただいています。
 結婚後は年賀状のやりとり程度の連絡でしたが、50歳を過ぎた頃に、ちょっとしたきっかけで篆刻と書道を趣味で始めるようになり、その事を先生にお伝えしたところ、先生はたいそう喜んでくださいました。始めたきっかけは、当時中学生の娘が学校で作った篆刻作品を目にして、先生の授業で篆刻印を作ったときの楽しさを思い出した事からでした。それ以降は時々私の駄作の画像をメールで先生にお送りするようになり、先生からも時々作品の画像や展覧会の案内を送って頂くようになりました。
 平成26年の春、27期生同期会の案内が届いた時、先生にお会いできるかもしれないと思いワクワクしながら出席のハガキを出しました。ところがその少しあとで遺作展「弧 原田正憲の書」展の案内を受け取り、先生が亡くなられたことを知りました。
 今、私の手元には原田先生の作品集「孤 原田正憲の書」があります。時々開いては先生のこれまでの作品をながめ、また作品集の中に書かれている先生の言葉を読み、お手本を書かない書道の授業を通して先生が伝えて下さろうとしていた事を改めて考え直しています。本当は先生とお会いしてもっと書道についての色々な話を聞きたかったのですが、それはかなわぬ夢となってしまいとても残念です。しかし先生の事を思い出しながらこれからも趣味で書道と篆刻を続けるつもりです。原田先生どうもありがとうございました。

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コメント(1)  コメントする

堤君 27期3年10組のうえだあやです。
原田先生への想いを、ありがとうございました。
遠い北海道の地で、お元気でいてください。
同期が元気で頑張っていると、こちらも励まされます。
またお会いしましょうね
それまで、27期 それぞれの社会の場で 共々に障害物競走です。
最後の体育祭の元気をいつまでも忘れずに、頑張りましょう!

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